高性能住宅

高断熱・高気密住宅と言っても、実は○○以上は高断熱・高気密という基準はありません。
しかし、三幸住宅としては、高断熱・高気密住宅はUA値0.6以下(ZEHグレード)、C値1.0以下と考えています。さらに強化した高断熱・高気密はUA値0.34(地域により0.46)(HEAT20・G2グレード)C値0.3以下と考えています。

「今」一般的に造れる最高レベルに近い超高断熱・高気密住宅を造りました。
性能としては、UA値0.28…北海道のHEAT20・G2と同じです。
C値施工中(気密工事終了時)0.28、竣工時0.26でした。

壁の断熱は、充填断熱として厚さ100ミリの硬質ウレタンフォームを入れ、その外側にもEPSを50ミリ付加断熱として張りました。
付加断熱を厚くすれば性能は上がりますが、クラックが入るリスクも上がってしまうのと、サッシの納まりが悪くなりコストが上がってしまいます。

サッシは樹脂トリプルガラスにしました。5枚ガラスのサッシも流通していますが、まだ種類も少なく、コストも高いので、トリプルガラスにしました。
サッシも最小限の数・大きさにすれば断熱性能も気密性能も上がります。
しかし、大きい窓も欲しいし、日光や風を取り込みたかったので、住みやすさを第一に重視して窓の数、位置、大きさを決めました。
住みやすさを第一にしてもUA値0.28出ましたし、3月に雪の降った1日だけ、少し結露しただけでした。

又、トリプルガラスにする事で「遮音性」が良くなったことに驚きました。
ペアガラスでは、外のエンジン音などは小さくはなりますが聞こえます。
トリプルガラスでは、外の車のエンジン音はほとんど聞こえません。セルを回す音が少し聞こえる程度でした。
家の中でテレビを大迫力のボリュームにしても、外ではほとんど聞こえませんでした。
(周囲の環境や個人差により、聞こえ方は違います)

外観は「スッキリしつつ、バランスよく格好よく」を意識して造りました。
全体的には白い壁でスッキリ見せて、正面の南側にアクセントとして茶色い壁を入れています。そして東面の壁は使い勝手を考えつつ位置・外から見たバランスを整えました。
太陽光パネルを載せるので、高さ制限ギリギリの所で招き屋根にしました。
スッキリとした外観ですが、破風に無垢の木を見せるなど、三幸住宅らしさも入れています。

日射の角度も考えて、軒の出や軒天の高さなどを設定しています。南からの夏の熱い日射は防ぎ、冬の日射熱は多く取り込むようにしています。
ウインドキャッチを意識しつつ、一部屋に2カ所以上窓を付けるようにしました。また、ロフトに小さいながらも窓があるので、上下差により溜まった熱を排出しやすいようになっています。

太陽光パネルを7.75kW載せています。
パネルのとめ方はキャッチ工法という屋根に穴をあけない工法を採用しました。
通常は屋根に架台をビスで打ち固定します。ビス周りのコーキングが切れてしまうと雨が入ってきてしまう可能性がゼロではありません。
しかし、キャッチ工法では強度が心配?台風でパネルが…という心配もありますよね?
そこで、垂木をエアー工具でスピード重視で打つのではなく、ビスで1本1本打ちこみ、板金屋根もキャッチ工法に合わせて強化しました。

7.75kWだと、パワコンが2台になります。と、いう事は故障した時の費用は多くかかってしまいます。しかし、停電した時、発電していれば使える非常用コンセント1500Wが2ケ使えます。
LIXILの建て得という実質0円で太陽光パネルが載せられるプランと、自分で買ったプランの売電期間10年間の収支の計算もして検討しています。

玄関の照明は、「照明を見せない・気付かせない」というコンセプトでデザインしました。一見照明がない様に見せつつ、スイッチを入れると充分明るくなっています。
玄関の段差を使用して、玄関タイル・足元を照らす様に間接照明も入れました。
奥様のリクエストの「欄間」が映える様に天井の中にも入れてあります。
その欄間もただの飾りではなく、お風呂の湿気がより家中に巡る様に考えて位置を決めました。

キッチン、リビングは、スッキリと落ち着いた空間にしました。アクセントとして、モザイクタイルを付け、リビングのアクセントクロスは、掲示板に使えるようにしています。
お客様も来るところなので、照明のスイッチプレートも木のかわいいプレートにしました。

共働きのご夫婦の家事が少しでも楽になる様に工夫をしました。
玄関に入って、すぐに洗面台があり帰ってすぐ手洗いうがいが出来ます。
お風呂に入る時に洗面室で脱いだ服は、すぐ横にある洗濯機で洗い、隣のサンルームで干せます。
洗面室に大きい収納があるので、洗剤の買い置きやタオル等沢山しまえます。
1階の洗面台は使いやすい様に幅900ミリの大きいものにしました。
入口も玄関側とキッチン側の2カ所につけ、家事動線をスムーズになる様にしました。

トイレは、三幸住宅らしく「和」の落ち着いた雰囲気のある空間にしました。
井戸のポンプの様な手洗いを付け、その下は収納にしています。
入って正面の窓は、雪見障子の様な上げ下げ障子を付ける事で日の光を柔らかくし、「サッシ」を隠すことにしました。
紙巻も木製のこのトイレに合う物を探しました。
この空間の天井に照明や換気扇が付いているのは色気がないと思い、換気扇はカウンターの奥に隠す様に付けました。カウンター上の板壁は、一面が板壁に見えますがその中の2枚に照明が入っています。

2階にも水廻りを設置しています。
トイレはシンプルなものですが、トイレットペーパー等が置ける収納を付け、モザイクタイルでアクセントを付けています。
2階でも手洗いや、掃除のときに使える幅600ミリの洗面台を付けました。
この2階の洗面台の水は冷たい水ではなく、「ぬるい水」が出てくる仕掛けがしてあります。
冬に顔を洗ったり、うがいをしたりするのには、「ぬるい水」で充分です。
お湯を使う時は、お金をかけて作った「元お湯」の水を捨ててから出て来たお湯を使う。
…どちらがストレス無く、すぐ顔を洗ったり出来るでしょうか?どちらがエコでしょうか?

子供は2人欲しいというご希望でした。(設計中に1人目がおなかの中に!!)
今後1人なのか2人なのか、同性なのか異性なのか、仲良しなのかどうか分からないので、子供部屋は最初から仕切って使い方を制限するのではなく、左右対称にして後々区切れるようにしました。
2階部分の子供部屋は変型の9.2帖あり、区切ってもベッドがちょうど置けるスペースはあります。ロフトは9.7帖あり、勉強したり、広々と遊んだりできます。

ロフトの手すりは、ただ壁にするのではなく、ちょうど単行本が2段入る高さの棚にして、少しでも空間を利用しました。

寝室には布団を入れる押入と、洋服を入れるクローゼットがあり、3帖の奥様用のウォークインクローゼットもあります。
また、文庫本、漫画本、CD等が置ける棚と、奥行きの深いTVが置ける棚もあり、収納スペースは多く取りました。
こちらにもロフトがありますが、階段で上がる様になっています。寝室を狭く感じさせない様に、ストリップ階段にして幅も最小限にしました。
ここはお客様が来ない場所ですし、お施主様のご希望もありアクセントクロスを2カ所入れました。色のバランス、配置、面の大きさを考え、バランスをとりました。

ロフトは6帖の旦那の隠し部屋(?)になっていて、手摺は単行本が2段入る高さになっています。

寝室と子供部屋のロフトを使いやすくするため、その下の天井高さを下げています。
廊下やウォークインクローゼットが低くなっていますが、低さが気にならない様にしています。

ドアの色はカラフルにしてみました。
2階は主に家族のスペースなので、既製品で価格を抑えつつ、遊び心を入れました。
洗面のクリエラスク、ドアのグリーンペイント、グレーアッシュ、ブルーペイント、ピンクアッシュ、クリエアイボリー、チェッカーガラスの入ったプルーペイントのドア…
優しい色使いなので、ごちゃごちゃせずまとまりました。

雨の日は荷物を濡らしたくないですよね?
玄関のある面は910ミリのベランダが出ているのですが、玄関を455ミリ引っ込ませる事で1350ミリ屋根がある状態にしました。横なぶりの雨などでなければ、濡れずに傘を仕舞い、玄関を開けられます。
また、電気錠なので、鍵がポケットやカバンに入っていればドアのボタンを押すだけで開錠出来ます。

耐震等級3にして、長期優良住宅を取得しています。
許容応力度計算で計算したので、耐力壁、水平力はもちろんですが、材料の大きさ、基礎の強さも計算し、耐震等級3、耐風等級2(最高レベル)にしました。地盤調査もして、地盤の強度も確認しています。

大きな地震が来ても耐えられますし、住まう人の安心にもなります。

冬は乾燥しますよね?
寒く乾燥した空気を暖める事で、相対湿度は下がります。

しかし、冬は22℃前後で50~60%に保ちたいので加湿する必要があります。(なぜなのかは、家楽くらぶでお話しします!)
加湿器を置けばいいのですが、毎日の給水がメンドクサイ!毎日の掃除がメンドクサイ!スイッチのON/OFF、調節がメンドクサイ!!!となりませんか?
そこで、4カ月フィルター交換不要の加湿器を、自動給水で設置しました。万が一の時の為に排水も繋ぎ、IoTで湿度に合わせてON/OFFするようにもしています。
必要なのは、1~2週間に1度加湿器をサッと水洗いする事くらいです。
それだけで快適な空気環境を造れます。

その為に必要な加湿量を計算し、それに応じた加湿器を選びました。
また、加湿しやすく、メンテナンスしやすい場所に設置しました。
今後も必要な加湿量の計算、設置場所のご提案をさせて頂きます。

IoTをLIXILとSwitchBotの2種類入れました。
LIXILでは、玄関ドアの鍵の状態の確認・施錠、宅配ボックスの配達状態の確認、室内の温湿度・照度、ブレーカーの使用電気量(全体と任意の小ブレーカー)、太陽光発電の発電量・使用量などが分かります。
こちらはほとんど「記録」が目的で入れました。
SwitchBotは主に「住みやすさ」の為に入れました。温湿度計と、そのハブ、コンセント、ボットを買いました。
それらを繋げる事で、
・湿度が50%以下でコンセント(加湿器)ON
 湿度が55%以上でコンセント(加湿器)OFF
 お風呂に入る時間=湿度が上がる時間の前にコンセント(加湿器)OFF
・温湿度の記録が取れる
・壁のスイッチを時間設定で押す事が出来る。
 それにより外の電気を夕方につけ、夜中に消える様に出来ます。
 …たまに遅く帰ると、真っ暗になってしまいますが。
・ハブにテレビやエアコン、照明のリモコンを覚えさせれば、スマホから操作したり、時間や温湿度に反応して操作したり出来ます。

77073